"The Road Not Taken"

Midori Harima
Osamu James Nakagawa
Takayuki Ogawa
Misato Oka
Makoto Ishiwata
Kosuke Iizawa
Emiko Sawaragi Gilbart

 

FLYNNDOG

 

 

"The Road Not Taken"

 バーモント州はアメリカ合衆国において、昔も今も伝説的な土地柄と言えるでしょう。この国の北西の片隅に位置する、この小さな州は、歴史的にも、その独立性、革新性と共にMainstream America からの距離を常に保持することでも知られいます。 なだらかな丘陵地帯が、深い森におおわれて続き、清浄な北の光であふれています。その美しさと、自然の力は、かつても現在も、この地へやってきた人々に多大な影響を与え、多くの人が、バーモントで、自身の根本にかかわるような、深い精神的な体験のあったことを語っています。
 このようなバーモント州を訪れ、展覧会を開催することは、大変興味深く、同時にこの活動を通してわれわれが経験し学ぶことが、われわれをして成長し、前進させるであろうことを信じるものです。
 第二次世界大戦後のこの半世紀、日本はアメリカから政治、経済、文化といった領域において、強い影響を受けてきました。ことに文化において"アメリカ"はそれが自然に感じられるほどに深く日本の伝統にも浸透しています。このことは、第二次世界大戦以前の200年間が、日本がその近代化をヨーロッパを範とし、同時に生活の欧風化を推進したことと対比的と言えるでしょう。第二次世界大戦以後、日本はアメリカのデモクラシーを受容し、アメリカ資本主義の傘下にその同盟国となっています。今日、日本は国際社会において、言うところの先進国の一員としての位置を確立していますが、他の先進諸国同様、資本主義経済の推進によって、環境及び生活そのものが脅やかされている現在です。 こういう時代背景に、われわれは生まれ、成長し、日本人として、同時に世界市民として生きています。
 この展覧会には、そのアプローチも、表現方法もあるいは"アート"に対する考え方そのものも多様な、7人のアーティストが参加しています。展示は、一見無関係な、物や行為の羅列のようであるかも知れませんが、これは現代社会の"相”を反映し、同時にその多様性、分岐度・相違といった事柄をも考慮するものです。
 芸術は閉鎖系であってはならない。芸術に対する概念は時代や地域によって変遷するとしても"芸術"の目的は、われわれの精神を、自由に開放しておくという使命を保持し、このことこそが、芸術の重要で、かつわれわれの未来にとっての可能性であると考えるものです。
 展覧会は、諸作品に一貫するテーマ、それは社会一般の人々とも共有される問題である、人間と生命全体に関わる深い"Concern"からの表現として展示されるものです。
 展覧会のテーマとタイトル『The Road Not Taken』はロバート・フロストの高名な詩を引用するものです。フロストはこの詩を"森で道が2つにわかれていた、そして私はほとんど歩かれなかった方の道を選んだ、そこから違いが生まれた。"と結んでいます。われわれ7人はアーティストとしての姿勢をここに共有したいと考えるものです。
 誰もいったことのない道を行ってみませんか。わたくしたちの、それぞれの"道"と経験が、ともにわれわれを真の協調と理解へと導かれることを望みます。
 2003年アートホップ参加展覧会の企画、会場提供等FLYNNDOGの後援、協力に対して心から感謝の意を表します。

エミコ サワラギ ギルバート

 

Artists
播磨 みどり HARIMA, midori
中川 治 ジェームス Osamu James Nakagawa
小川 隆之 OGAWA, takayuki

岡 美里 OKA, misato
石渡 誠 ISHIWATA, ma
koto
飯沢 康輔 IIZAWA, kohsuke
エミコ・サワラギ・ギルバート Emiko Sawaragi Gilbert

 

''The Road Not Taken''
August/September, 2003
FLYNNDOG 208 Flynn Avenue, Burlington, VT
Info: 802-454-1449
heartheart@together.net
http://www.flynndog.net/
Evening Reception during the South End Art Hop 2003, friday, September 12, 5:00-8:30


 

Artists

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Special Thanks

 

 

 

 

 

 

 

 


                                           phot by Nick Mcdonell

 

 

 

 

 


                                          image by Jeffrey Gilbert