飯沢 康輔 IIZAWA, kohsuke

 

    

 

  ー呼応する意識下の水ー

   水とは何であろうか。水はあらゆる所に存在し、我々自身も水でできている。生命維持のため
  水を摂取し、日常の中で水を道具として大量に消費している。また自然環境の中ではあらゆる形
  態を取りながら、我々の周囲を取り巻いている。水は液体として、気体として、地球上を循環し
  続けている。これは人体の中でも同じように起こっている事で体内では血液となって体中を循環
  し皮膚からは絶えず発汗作用で水分が揮発している。水は留まる事がなく、姿を変え常に変化し
  ながら移動していると言える。水ほど我々にとって不可欠な物質はなく影響力のある物もない。
  それだけに水に対する思い入れには深いはずである。にもかかわらず水とは何であるかと言う事
  に答えるのは困難である。水と聞いてイメージする物は海や川、あるいは雨などある形状や現象
  を伴った物となるが水そのものをとられたとは言えない。心理的にはもっと複雑なやり取りがな
  され、浄化、不浄、驚異、安らぎ、など個人的な体験によっても千差万別である。しかし我々は
  水に対峙した時にさらに深い所で起こる生命の呼応を体験しているのではないだろうか。水とは
  何であるかという問に答えなくとも、水が何であるか知っているのかも知れない。

   私の水を使ったインスタレーションは来場者が作品に積極的にアプローチする事で成り立つ
  インタラクティブアートである。頭上に張られたビニールシートに溜めた水に来場者が触れる
  事で眼下に揺れ動く水の波紋を見い出す事になる。鑑賞は来場者の働きかけによって行われる
  が、変幻自在に移り変わる水の紋様に身を置く事で意識下の水が呼び起こされると私は考える。
  またそれはその人その人の心情をも写し出すものと思われる。大きく揺らぐこともあれば、小刻
  みに震えるようであったりと様々な表情を見せる。時には全く動かないこと、つまり全く働きか
  けなかったとしてもそれもその人なりの現れ方と考える。

   四方を海で囲まれた日本は水に恵まれた自然の豊かな国である。その中で水は様々な表情を見
  せ日本人の感性を育んで来た。言葉の中にも水に因んだ言い回しは幾らでもあるし、日本画の題
  材としても縁が深い。水墨画などは水を切り離しては考えられない表現方法である。森羅万象に
  身を置きながら日本人は古来より無意識のうちにも自らの中に呼応する水の存在に気付いていた
  のであろう。

   私の表現はそのうつろい行く一瞬一瞬のはざまに出合う自分自身の中の水の存在に耳を傾けら
  れる装置として機能していければと願っている。

  English

 

  Kohzuke Iizawa
  1965  Yokohama, Kanagawa, Japan

  Education & Experience:
  1992  Graduated from Sculpture Course of Tokyo National University of Fine Arts & Music
      Traveled to India and Nepal
  1994  Graduated from Postgraduate Program of Tokyo National University of Fine Arts & Music

  Solo Exhibitions:
  1996  Water SIde Akiyama Gallery (Kanda, Tokyo)
  1997  Tide Gallery Yamaguchi (Kyobashi, Tokyo)
  1998  Deep Gallery Qs (GInza, Tokyo)
  1999  yodominishizumu utakata (Bubble Sinking Down in the Stagnation) KeyGallery (Ginza.Tokyo)
      Watery Dream 300days Gallery (Aoyama, Tokyo)
  2000  Tide Pool Moris Gallery (Ginza, Tokyo)
  2001  Absence T.L.A.P (Aoyama, Tokyo)
  2003  Circles GALERIE SOL (Ginza, Tokyo)

  Group Exhibitions:
  1999  Pride. Satisfaction-IV 21+an Leaf (Ginza, Tokyo)
      Art Invite Public Contribution 2000 Received Examiner Awards Shinkiba Soko Gallery (Shinkiba, Tokyo)
   2000 Taro Okamoto Contemporary Memorial Award Exhibition National Olympic Center (Yoyogi, Tokyo)
      Like water existence here Toyoshina Modern Museum of Art (Nagoya)
   2001 The Library 2001 Gallery Sowaka (Kyoto)



  KOHSUKE IIZAWA is an installation artist and essayist working with primary materials of water, light and
  space. Visitors are able to access his work directly and initiate a dialog that invites them to transcend the
  level of metaphor and proceed to visualize a state of mind. He exhibition in Japan, and this is his first
  exhibition in the U.S.