Mediations Biennale Poznań 2018

持って行ったガイドブックでは3ページの扱いでしかなかったポズナンはその割に大きな都市で、ポーランド王国を興した最初の首都としても知られている古都である。現在のポズナンの姿は戦後復元したもので激戦で市街の5割以上が瓦礫になった。この国の復旧復興は町のみならず人々の心を取り戻す忍耐の歳月だったと思うと想像を絶するものがある。
ポーランド関連の本を読むと「蜂起」と言う言葉が頻繁に出てくる。何度、国を奪われても決して諦めることなく国を奪い返そうと立ち上がる人々の姿が歴史の中で繰り返され、その都度「蜂起」する群衆の存在そのものがその言葉に象徴されているのだろう。
ポズナン初日は夕闇迫る中であったためか、第一印象は良くない。灯りが乏しく町は暗い。泊まったホテルの中も真っ暗。道路はやたらと広いのに行き交う人や車は少ないので、まるで戒厳令でも敷かれているかのようなある種の緊張感があった。「とんでもないところに来てしまった」と不安な夜を過ごしたが一夜明け町を歩くと市場や活気ある人々の姿に救われる思いがした。
ポズナン大教会博物館(MUZEUM ARCHIDIECEZJALNE W POZNANIU)が自分の展示場所になると案内され今回はキリスト教関連に縁があるなと思った。4階建ての中規模な博物館内を見学する。時代や作者が不明な展示物が多い。絵画はともかく木彫などは損傷の激しいものもそのまま展示してあって独特の雰囲気が漂っている。戦争で破壊された教会から見つけ出されたものもあるのだろうがその鞭打たれる姿がこの国の歴史と重なる気がした。
ここはポーランドでも最古の博物館の一つらしくコレクションは多岐に渡り、キリスト教美術を始め金銀宝石による貴金属、工芸、テキスタイルから鉄兜や鎧に剣、骨で作ったオブジェなど少々血なまぐさいものもあるようだ。
そう言った展示物で建物内はぎっしり埋め尽くされてどこに設営して良いものか見当もつかない。しばらくまごついていたがそれでも空いているスペースを見つけて合計五点設置し、結果的に各階全てに展示できたのは博物館全体に関われたようで幸運だった。節電のためか見学者がいないと館内を消灯する習慣はどうにもならなかったが。
この会場はポズナンの中心部から少し離れていてメインストリートからも路面電車で15分ほどかかるが滞在した4日間はほぼ歩いて通った。その度に道に迷いながらも新しい路地を発見しては面白がっていた。見知らぬ土地をあてもなく歩くのは楽しくもあるが、ある日、本気で迷子になって4時間さまよった時はさすがに参ったが今となっては良い思い出だ。
ヴァルタ川に映り込むポズナン大聖堂の美しさはいつも目を癒してくれた。

Mediations Biennale Poznań
VIRTUAL GARDEN game between analogue and virtual reality
10/12-28.2018, Poznań
http://www.mediations.pl/biennale/



谺 Echo/設営風景/ポズナン大教会博物館(MUZEUM ARCHIDIECEZJALNE W POZNANIU)/Mediations Biennale Poznań


ポズナン大教会博物館(MUZEUM ARCHIDIECEZJALNE W POZNANIU)/Mediations Biennale Poznań


谺 Echo/H2000mmxW1250mm/ケント紙に鉛筆/Mediations Biennale Poznań


谺 Echo/H2000mmxW1250mm/ケント紙に鉛筆/Mediations Biennale Poznań


三つの天使像の燭台(作者不明)/ポズナン大教会博物館(MUZEUM ARCHIDIECEZJALNE W POZNANIU)/Mediations Biennale Poznań


キリスト像(作者不明)/ポズナン大教会博物館(MUZEUM ARCHIDIECEZJALNE W POZNANIU)/Mediations Biennale Poznań


谺 Echo/H2000mmxW1250mm/ケント紙に鉛筆/Mediations Biennale Poznań


谺 Echo/H2000mmxW1250mm/ケント紙に鉛筆/Mediations Biennale Poznań


谺 Echo/H2000mmxW1250mm/ケント紙に鉛筆/Mediations Biennale Poznań


ヴァルタ川に映るポズナン大聖堂Mediations Biennale Poznań

Mediations Biennale Poznań
VIRTUAL GARDEN game between analogue and virtual reality
http://www.mediations.pl/biennale/

Kosuke Iizawa
Echo
12-14.10.2018

MUZEUM ARCHIDIECEZJALNE W POZNANIU

Kosuke Iizawa
Born in 1965, Yokohama, JAPAN
1994 Postgraduate Program of Tokyo National University of Fine Arts & Music

What separates people from others? That is a word.
But what about the sound before it comes to words?
It was born on this earth before the religion before the common history
There is sound to emit, which is common to the world.
There is a place where the sound echoes surely everywhere.

Material and life are habitually carried along, and continue to fluctuate betweencreation and destruction. This is a way or energy, a course of direction, these twopoles mutually affecting each other while trying to find the perfect from.Equilibrium is not necessary, the continuous cycle of destruction and renewal is its very essence.

Animals don't have written history. They inherit ancestral blood and are just alive. But an extensive memory of a survival is also left within them. This is their present form itself. Our history simply comes from that.




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