ウサギガジェット:ウサギ家の人々(平成編)/やまきわ美術館/撮影:宮本和之

草の根わけて家路をたどる 'Making My Way Home Through Wild Grass'
7/29/2016 - 9/25/2016 Fri, Sat, Sun
https://www.facebook.com/events/1127263290663529/

作家 飯沢康輔、滝朝子、ミキョン・ソン
artists: Kosuke Iizawa, Mikyung Son, Asako Taki

キュレーター 福島ゆり
curator: Yuri Fukushima

やまきわ美術館 Yamakiwa Gallery
〒942-1426 新潟県十日町市松之山上鰕池350
Kamiebiike, Matsunoyama, Toukamachi-shi, Niigata, JAPAN 942-1426

http://www.yamakiwagallery.com/

やまきわ美術館では今夏、 グループ展「草の根わけて家路をたどる」を開催します。
かつて農家の暮らしの場であったやまきわ美術館。本展では、「家」の境外を巡り歩いたり、「家」の内をじっと見つめたり、「家」を起点として色々なモノとの隔たりを試すという視点から、国内外3名の作家を捉えます。
飯沢康輔は人間と野生の境界線を探ります。 滝朝子は上鰕池集落と東京の距離を様々な方法で測ります。ミキョン・ソンは、ソウルから海を越えて意識の内側をつなげます。
                                                福島ゆり/キュレーター
Yamakiwa Gallery proudly presents a group show ‘Making My Way Home Through Wild Grass’ by Kosuke Iizawa, Mikyung Son, Asako Taki.
The Gallery is a former residence for a traditional farmer family. In this exhibition, the artists are viewed as investigators of the gap between the House and various other things, who wander around the outer limits of the House or fix their gaze on its inside.
Kosuke Iizawa searches the boundary of human and the wild life. Asako Taki measures the various interspaces between Tokyo and the Gallery. Mikyung Son connects our inner minds across the sea from Seoul.
                                                Yuri Fukushima/curator

動物には歴史がありません。只、血を受け継ぎそこに生きているだけです。しかし彼らにも壮大な生存を掛けた記憶が残されています。それが今の彼らの姿そのものです。私たちの歴史はそれを借りているようなものです。
                                                       飯沢康輔
Animals don't have written history. They inherit ancestral blood and are just alive. But an extensive memory of a survival is also left within them. This is their present form itself. Our history simply comes from that.
                                                     Kosuke Iizawa


ウサギガジェット:ウサギ家の人々(平成編)/やまきわ美術館/撮影:宮本和之


ウサギガジェット:ウサギ家の人々(平成編)/やまきわ美術館/撮影:宮本和之


ウサギガジェット:ウサギ家の人々(平成編)/やまきわ美術館/撮影:宮本和之


ウサギガジェット:ウサギ家の人々(平成編)/やまきわ美術館/撮影:宮本和之


ウサギガジェット:ウサギ家の人々(平成編)/やまきわ美術館/撮影:宮本和之


ウサギガジェット:ウサギ家の人々(平成編)/やまきわ美術館/撮影:宮本和之


ウサギガジェット:ニンジン畑/やまきわ美術館/撮影:福島ゆり


ウサ耳輪くぐり/100円ショップのウサギの耳、木、ウレタン/やまきわ美術館/撮影:西形美穂


ウサギ家の人々(展示風景)/写真、木、毛布、100円ショップのウサギの耳/やまきわ美術館/撮影:西形美穂


ウサギ家の人々(展示風景)/写真、木、毛布、100円ショップのウサギの耳/やまきわ美術館/撮影:西形美穂


ウサギ噺絵/アクリル絵具、和紙、木枠/やまきわ美術館/撮影:西形美穂


ウサギ動画/やまきわ美術館

    ニンジン収穫祭/展覧会最終週に収穫祭を行い、作物を調理して参加者と土地の恵を分かち合いました。
   

    

    

    

    

    

   
   ニンジン収穫祭/やまきわ美術館/撮影:西形美穂

 

「ウサギガジェット」と「イノシシプロジェクト」 Q&A

Q1. 人間との関わり方に関して、うさぎとイノシシの違いを、どう考えるか?

A1. イノシシは大変嫌われ者で見た目も行動も毛嫌いされてます。それを裏付けるようにイノシシグッズやキャラクターは極めて少ない。それに反しウサギは見た目のかわいらしさからとても愛されていてグッズもキャラクターも数多く社会に出回っていて動物界ではナンバーワンでしょう。これは世界共通の認識だと思います。
今回ウサギを取り上げるのはとてもリスキーでした。これだけ人々に浸透しているので消化されやすい危険性があるからです。一方イノシシは上記の理由からか来場者の反応は新鮮でした。
しかしどちらも害獣としての観点から扱えば変わりはありません。イノシシやウサギに仕掛ける罠を見れば人間の動物に対する容赦のなさがハッキリわかります。同時にそれぞれに効率の良い罠猟はとても知恵のある行為だと思います。人と野生動物の接点が猟から始まるのだとしたら、大きく野生から遠ざかって我々の身近にいるうさぎのイメージは何なのでしょうか。動物の種類によっての距離感が違ってくることに強く興味を持ちました。


Q2. 展示場所が、展示内容の選択に及ぼした影響は?また、プレゼンテーションについて前作との違いは?

A2. 前作が放棄された空家だったことから生活の名残が端々に残っていて、それらは展示に利用しやすかったと思います。例えばご先祖様の写真がそのまま残っていたり、沢山の置物があったり。それらをイノシシにアレンジするのは自然なことでした。
しかし今回は同じ古民家でありながら先の住人の生活感がほとんど掻き消されていてそのまま前回の方法論は通用しないと思い、何か象徴的なステージが必要になって「ウサ耳輪くぐり」を考えました。前回は空家の空気感を存分に利用しましたが、今回はやまきわ美術館のもともとの空間の面白さになるべく引きずられないような展示にしたいと途中から考えはじめました。結果この建物に似つかわしくない100円ショップで購入したチープな素材で構成した、しかし普遍的なイメージを持つ「輪」の存在が来場者を作品に導く良い効果を醸し出すことになったと思います。


Q3. 細かい質問なのですが、前作では写真はどのような形でプレゼンされてましたでしょうか?

A3.生活の名残を殆どそのまま利用したのでご先祖写真や家族の集合写真として部屋の長押に掲げて展示しました。額もそこの家にあったものを中身だけ差し替えて使いました。
私は都会生活が長かったので田舎のどの家にも先祖代々のポートレートが飾ってあるのが興味深く目に映りました。家の歴史がそのまま具現化したような、あるいは家系の時間が漂っているような。そこで動物にも家族がいるだろうか、歴史があるのだろうか、と言う疑問が持ち上がってきて「イノシシ家の人々」と言う作品に繋がりました。更に、やまきわ美術館では「ウサギ家の人々」の物語性を示唆するような結果になったかと思います。




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