生まれたての時間/コップ、水、太陽光、畳、河原の石/薩摩屋二階座敷/2015/撮影:Mikako Nakano

生まれたての時間

窓から射し込む光、日常と言う名の繰り返し。昨日と同じ時間がやって来る。
でも、それは昨日とは違うほんの少しずれた時間、そして時間は繰り返すこ
とはない。
時間は瞬間瞬間、真新しく発生し続けている。それは絶え間なく湧き出る水
のように、あるいは、何万年もかけて磨かれる、ひとつの小石の肌のように。

15畳の和室の畳にコップの口と同じぐらいの大きさの穴を開けた。一日の内
ほんの数分だけそこから光が差し込む。光が差し込む先は畳の下の暗がり、
そこには水の入ったコップが部屋中イッパイに敷き詰められている。
静かに準備された瞬間が一筋の光とともに動き出す。水は光を分け合って。

時間はいつもそこに犇めいている。


生まれたての時間/コップ、水、太陽光、畳、河原の石/薩摩屋二階座敷/2015


生まれたての時間/コップ、水、太陽光、畳、河原の石/薩摩屋二階座敷/2015/撮影:石田高浩


生まれたての時間/コップ、水、太陽光、畳、河原の石/薩摩屋二階座敷/2015/撮影:石田高浩


生まれたての時間/コップ、水、太陽光、畳、河原の石/薩摩屋二階座敷/2015/撮影:石田高浩


生まれたての時間/コップ、水、太陽光、畳、河原の石/薩摩屋二階座敷/2015


時々・交換/河原の石、グラス、店先に飾られたオブジェ/町屋ギャラリー薩摩屋/2015










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小須戸ARTプロジェクト2015 ー水と土の芸術祭2015市民プロジェクトー

 2009 年に開催された第1 回水と土の芸術祭。合併した旧市町村で唯一作品が設置されなかった旧小須戸町。芸術祭が始まっても、見馴れたまちに変化はなく、住民にとって芸術祭はどこか他人事。アートとまちの距離は遠かった。
 2012 年、第2 回水と土の芸術祭が開催され、まちには西野達「知らないのはお前だけ」、南条嘉毅「信濃川」の2つの作品が置かれた。まちに置かれた見馴れない作品と、その展示に伴う住民と作家との交流は、2013年の「薩摩屋ART プロジェクト」、2014年の「小須戸ART プロジェクト2014」へと発展し、アートが身近なまちになった。
 そして2015 年、第3 回水と土の芸術祭が開催される。縁ある作家はこのまちに集う。今年も見馴れたこのまちが、見逃せない。
                             (石田高浩/デザイン、プロデューサー)

開催期間
2015年7月18日(土)~10月12日(月・祝)

参加作家
飯沢康輔 荻原貴裕 したてひろこ 鈴木泰人 南条嘉毅 野原万里絵 橋本直明 吉野祥太郎

会場
小須戸本町通りの町屋や店舗、施設など(新潟市秋葉区)

 

小須戸ARTプロジェクト2015
http://satsumaya.web.fc2.com/ARTP2015/2015top.html

町屋ギャラリー薩摩屋
http://satsumaya.web.fc2.com/index.html

アクセス
http://satsumaya.web.fc2.com/ac.html

時々・交換

古くから営まれている商店のウインドウに並べられた飾り物達、土産物だったり記念品だったり、ところ狭しと飾られてよく見かける光景だ。それらはたいてい色あせ風化して、置かれた当時の面影も失われつつあるが、それでも店の歴史を物語る証人のようにそこに居続けている。

小須戸の商店を一軒一軒周り、そのお店の歴史の証人をお借りして、代わりに河原で拾った小石を入れたグラスを同じところに置かせてもらった。

歴史の糸先を絡ませてみる、見えない糸で編んでみる、時々・交換。

 

     KOSUKE IIZAWA WebSite -美術家 飯沢康輔の作品と展覧会のご案内-

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