NAKANOJO BIENNALE 2013
中之条ビエンナーレ2013 <温泉 + 故郷 + アートの祭典>
2013.09.13(fly) ~ 10.14(mon)
OPEN 9:30 ~ 17:00 木曜定休
パスポート:当日1,000円・前売り800円 / 高校生以下 観覧無料

http://www.bi-ku.com/nakanojo/

お問い合わせ:中之条町役場「中之条ビエンナーレ実行委員会」
TEL 0279-75-2111

biennale@town.nakanojo.gunma.jp


飯沢康輔展示会場「岩本上古民家」

梢が世界と出会うところ
The place where a treetop meets with the world.

前回はパチンコ店に泥人形を敷き詰めて、土地と人との関わりから生まれてくる作品を試みました。今回のテーマは「森」。森は未知なる自然への入口、誘い。それは同時にまだ見ぬ自分の中の自然へと導いてくれるものかも知れません。
太陽の光を直接取り込んで作品の一部にしているため、時間や天候によって大きく見え方が変わります。最も良い条件でご覧になるなら、晴天の日のお昼を挟んで前後4時間がお勧めです。



左/地座・右/光座


梢が世界と出会うところ <光座> / 水、太陽光、メチレンブルー、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:山上洋平


梢が世界と出会うところ <光座> / 水、太陽光、メチレンブルー、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:山上洋平


梢が世界と出会うところ <光座>


梢が世界と出会うところ <光座> / 水、太陽光、メチレンブルー、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:山上洋平


梢が世界と出会うところ <地座> / みずぶさの木、水、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:山上洋平


梢が世界と出会うところ <地座> / みずぶさの木、水、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:山上洋平


梢が世界と出会うところ <地座> / みずぶさの木、水、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:山上洋平


梢が世界と出会うところ <地座> / みずぶさの木、水、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:小林正樹


梢が世界と出会うところ <地座> / みずぶさの木、水、古民家 / nakanojo biennale2013/撮影:山上洋平

 

 


 


作家インタビュー 飯沢康輔
「中之条に暮らし、この土地とのかかわりから生まれてくる作品をつくりたいと思った」
ー自然へといざなう、森への入口ー


林に面した空家から姿を現したその男性は「ようこそ」と手を広げ、おどけてみせた。目下、岩本上古民家にインスタレーションを制作中の飯沢康輔だ。以前から作品に登場していた「水」というモチーフを空き家にインストールし、制作を通して自然と人とのかかわりについて考えている。飯沢は2011年のビエンナーレに参加後、中之条に住みはじめた。「初めて参加した時は、この土地の人とのかかわりから生まれてくる作品をつくることを試みたんです。それで農家の畑で一夏働き、畑の土からつくった泥人形をキリンホールに並べるという行為をしました。その時に、中之条の人が非常にいいなと思ったんです。困った時は助けてくれて、いい距離感をもっている感じでね。また、町の人たちがそれぞれに自分なりのアートとの関わり方を発見していることに驚きました。僕はその背景には長い年月をかけて自然と向き合いながら培われてきた生きる知恵や力強さがあり、そこにアートが呼応していると考えました。それで急速にこの土地に惹かれて、一昨年移住したんです。その時からさらに色々な人とのつながりが生まれて、今の自分がいる。そのいとなみが、制作にも生きてくると思うんですよね。そんな風にして人や土地とのかかわりから作品を生み出していけたら、と思っています」飯沢が今回の制作の場に選んだのは、自宅近くの古民家だ。「自由に制作できるような空家を探していて、自宅の大家さん… もう80過ぎになる元気なお年寄りなんですけどね、その方に相談を持ちかけたら、『ちょっと軽トラに乗れ』といってこのエリアの空家を案内してくれて。その時にこの家を見つけたんです」今回の作品のテーマは“森”。「僕は中之条三部作というのを考えていて、第一部が前回のビエンナーレに出品した人とのかかわりから生まれた作品、第二部が今回の環境を重視した作品、そして三部作目は次回のビエンナーレで、ここに暮らす人々と野生動物がどういう風にかかわっているかということを作品にしたいと思っています」飯沢は毅然としてそういった後、「まあ、次回もできればですけどね」といって笑った。土地に根ざした暮らしの向こうに、もう次の作品へとつづく未来が見えたような気がした。
                          (文:宮越裕生/2013 8月)





back
梢が世界と出会うところ <地座>

吊るされている木は、この地方で「ミズブサ」と呼ばれいますが、正式には
「水木 ミズキ」です。
ミズブサの木は小正月のまゆ玉作りや花飾りなどに使われる、地元では親しみ深い樹木です。
また、水を多く含むため建材には適していませんが、水に因んで火除けの儀式としての用途があります。
私の作品の水をテーマとしているので、この木が私の作品と土地との架け橋になってくれたならとの思いが込められています。
床下に水を張ったのは、吊るされた木が映り込むことで地に向う枝と空に向う枝の出会いを表しました。枝は、ある意味では空に向って伸ばす根。根は、地に向う枝。両者が出会うところに世界があるように思えてなりません。
梢が世界と出会うところ <光座>

作品のテーマはこの土地を取り巻く豊かな森。
森は未知なる自然への入口、誘い。
森の中には木漏れ日が点在している。
それは私たちを自然へと導く太陽の足跡かも知れない。
その先は、まだ見ぬ自分の中の自然へとつながっている。

 

     KOSUKE IIZAWA WebSite -美術家 飯沢康輔の作品と展覧会のご案内-

      profile works information workshop youtube mail blog