Beginning of the History. 『 数えきれない未来に向けて』/ 中之条町の畑の土、キリンホール / 2011/撮影:宮本和之
Beginning of the History. 『 数えきれない未来に向けて』/ 中之条町の畑の土、キリンホール / 2011/撮影:宮本和之
Beginning of the History. 『 数えきれない未来に向けて』/ 中之条町の畑の土、キリンホール / 2011/撮影:宮本和之
Beginning of the History. 『 数えきれない未来に向けて』/ 中之条町の畑の土、キリンホール / 2011/撮影:宮本和之
Beginning of the History. 『 数えきれない未来に向けて』/ 中之条町の畑の土、キリンホール / 2011(二夜限定で行ったナイトツアーの様子)
キリンホールのネオンが10年の歳月を隔て中之条の夜の街に帰って来た。9月30日・10月1日 18:00 ~ 20:00
Beginning of the History. 『 数えきれない未来に向けて』/ 中之条町の畑の土、キリンホール / 2011/撮影:宮本和之(二夜限定で行ったナイトツアー)
Beginning of the History. 『 数えきれない未来に向けて』/ 中之条町の畑の土、キリンホール / 2011/撮影:宮本和之(二夜限定で行ったナイトツアー)
展覧会に寄せて
昨年の夏、初めて中之条町に訪れた時、豊かな緑と水に囲まれた美しい自然を背景に、どんな展示ができるだろうと、ワクワクしたものです。ところが3月11日に起きた震災を境に、その思いが何処かに消え去り、始めのプランも色あせ、それを行う根拠を見出せなくなってしまいました。それ以降、頭をよぎるのは「アートの力」です。一体私がアートで何ができるのかと、自問自答の毎日が続きました。そもそもそう考えるのがおこがましく、それ以前に、まず一人の人間として行動しようと考え、東北に向けて車を走らせたのです。被災地に身を投じてボランティア活動に打ち込みながら、そこでの人との交流の中で、この出会いの点と点が大きなネットワークに繋がって、復興の原動力になるのだと、強く実感しました。それからの自分は、このリアリティを手がかりに、少しずつ活動し始めました。
いかなる小さな活動でも、無力感に苛まれるよりはよっぽどましだと、自信を持てたのも、多くの仲間の支えがあってこそなのです。そして今回、大幅なプラン変更に踏み切ったのも、今の自分のリアリティなくしては、展示の意味が見出せなくなってしまったからです。新しいプランは急な思いつきでもあって、雑さ、乱暴さが否めない内容です。しかしそこには確実に私の血と肉が通っています。私自身が見たもの、感じたものを思う存分、晒しきれたら、作家としてこれ以上の幸せはありません。
今回の展示は、私自身がどこまで中之条と言う土地に関われたかに掛かっています。人々、環境、そして大地、その関わりとプロセスから発生する何ものかが結果、作品に繋がれば何よりだと考えます。
2011, 夏 飯沢康輔